まるっと楽しんだ若手育成セミナー
名古屋市立大学大学院薬学研究科 病態生化学
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私は、第68回日本神経化学会大会と同時に開催された第18回若手研究者育成セミナーに参加いたしました。まず、このような素晴らしい会を運営してくださった熊本奈都子先生、嶋田逸誠先生をはじめとする世話人の先生方、講師・チューターの先生方、協賛いただいた一般財団法人 ながひさ科学振興財団様、そして推薦いただいた所属研究室の服部光治教授に、この場をお借りして心より感謝申し上げます。
今回、私は初めて本セミナーに参加しました。参加のきっかけは、今後のキャリアを考えるうえで参考となるロールモデルを多く知りたいと思ったこと、そして同世代の学生と新たな繋がりを得たいと考えたことでした。また、近場の名古屋で開催される神経化学会を「まるっと」楽しもうと思い、参加登録をしました。
セミナーでは、学生が少人数のグループに分かれ、講師の先生と1時間ほどディスカッションをする形式で進められました。ディスカッションのセッションは2回行われ、それぞれ異なる講師の先生のお話をうかがうことができました。講師プロフィールが送付された際には、どの先生も素晴らしいご経歴・ご研究内容をお持ちであり、2名を選ぶのは至難の業でした。
私は現在、脂質分子が脳の正常な発達に及ぼす影響の解明を目指して研究を行っています。脂質研究では、脂質結合プローブや標識脂質を用いて細胞内の脂質分子の代謝や動態を可視化します。そこで今回は、生体内物質を可視化できるプローブ開発を通じて若手PIとして活躍されている京都大学・坂本雅行先生と、以前参加した学会で、一分子イメージング法を用いた脂質動態研究の発表をされていた早稲田大学・坂内博子先生にお話をうかがうことにしました。
坂本先生からは、学生時代から留学、帰国後にPIとなられた現在までの研究成果や経験についてお話をうかがいました。私は現在、すでに確立されたプローブを使って脂質分子を観察していますが、プローブを「作る」研究の魅力や困難さについて知ることができ、目に見えない細胞内現象を可視化できるプローブ開発研究の奥深さを改めて実感しました。また、ワークライフバランスについてのお話も印象的で、限られた時間をいかに有効に使うかを改めて考える契機となりました。同時に、研究に没頭できる博士課程の今という時間を、より楽しもうと思いました。世話人の名古屋大学・笠井先生も加わり、非常に活発で充実したセッションになりました。
坂内先生とのセッションでは、参加者が相談内容を直接お伝えし、それに先生が一問一答の形で応じてくださいました。相談内容としては研究関連の話や私生活での悩みなど、多岐に渡りました。坂内先生は質問一つ一つに丁寧にお答えいただき、今後に活かせる貴重なアドバイスを多くいただくことができました。また、一分子イメージングの研究についてもお話することができ、自分のアイデアについて興味深いと言っていただいたことがとても嬉しかったです。
さらに、歳の近い若手研究者の先生方とも交流することができました。九州大学の工藤先生、東京大学の森川先生とお話をする機会をいただき、学位取得後から現在の所属・研究を選ばれた経緯についてお聞きしました。将来的な目標となるPIの先生方に加え、より身近なロールモデルとして若手の先生方のお話を聞けたことは大変貴重でした。
グループセミナー後には全体交流会が開催され、参加者が全員でさらに交流を深めました。ここではグループディスカッションで聞けなかった質問を先生方にうかがうことができただけではなく、同年代の学生と研究に関する話題で盛り上がることができました。偶然声をかけた参加者の方とは研究分野が近く、神経発生に関する意見交換を行うなど刺激的な時間を過ごしました。その方は翌日の学会懇親会にも参加されており、その方の知人の紹介を通じて次々と人の輪が広がり、多くの学生の方々と交流する機会を得ることができました。
私はこれまでにいくつかの学会に参加してきましたが、若手研究者の育成と交流を目的とした本セミナーは、神経化学会ならではの特色のある取り組みであると感じました。参加者のみなさんはいずれも研究に情熱を注がれており、研究内容や日々の生活について語り合う時間は非常に刺激的で、私自身、改めて研究の楽しさを実感しました。大学院生にとって、この様な機会は非常に貴重であり、今後の研究生活に確実に良い影響を与えてくれるものだと感じました。
過去に複数回参加されている方も多いとうかがいましたので、来年も開催される際には(ぜひ、ご開催いただけますと幸いです!)、再び参加したいと思うとともに、所属研究室の後輩にも積極的に参加を勧めたいと思います。
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